爛柯亭仙人の
囲碁掌篇小説集


回文


回文 11

希有の武宮正樹、才あり。苦なく舞う手つきかな。忍耐だと人の言う、愉快な手、いい感じ。意外、三手の読み。世の天才か偉人か。いい手ないか。有意のトビと大胆に中切って、うまく殴りあい、さきさま病み、下駄の受け。(回文/注:武宮正樹は囲碁棋士、九段)

回文 10

碁たしなみ、年寄りのみ見よ。この身勝つため、切手のある形見の品借りた。空き隅を手にとコミがかり。目あり。わての碁、記憶し苦痛。美しく置碁の手割。アメリカが見事に手を見すぎ、アタリかな。師の見たがるあの手つき目立つ神の子。読み実り、良しとみなした碁。(以上回文)

回文 9

碁の心うとんじ、烏鷺の戦い方、端、意味なし。他人頼みの碁、敷居なく大差で「待った」。奇跡。イキ。席立つまでさ。痛くない。棋士好みの単にたしなみ。石は高いか。ただの老人と烏鷺。個々の碁。(以上回文)注:烏鷺=うろ。囲碁の別称

回文 8

碁の難題、詰めが甘いよ、敗勢濃厚。よし碁打とう。子は囲碁脳と肉体を磨き、待とう。濾紙の素人、巻き紙を委託に。唐の語彙は高等。碁しよう。劫の威勢はよい。まあ、がめつい旦那の碁。(以上回文)

回文 7

碁石置くスリがいる。よし、勝つた、囲碁に。いい若いし、本気で碁。いや、好きや。樽から竹と木、愉快。大使、足痛いか。雪解けたら、カルタやキスや囲碁できん。欲しい、可愛いニゴイ。立つか。書類がリスク。惜しい碁。(以上回文)

回文 6

佐為酔い碁、句に無意味。碁は苦なく身に、見や師。死、闇に見、苦なくばコミ。忌む。逃ぐ。来いよ、いざ。(ヒカルの碁&円周率回文)3. 1415926535897932384

回文 5

死期迫り、仕送り、碁を打つ工夫。子を宿し、痛みを知り、月泣く宵。碁に異あり、菓子を食べ、恋逃がしたり。手が隅にき、敵にミス。勝てり確かに。囲碁下手を叱り、会いに来い。欲なき釣り師を見たい。師と矢を請う。腹痛起こり、苦を知りませ、棋士。(回文)

回文 4

味方の碁。いい死、苦痛なき死。忌む心。烏は黒、ふと浮かび。闇雲に打つ碁いずれ崩れ、和が大事。時間ない碁で、出切るやコウか。戦う碁、やる気出てこい。なんかジジイだが、我すぐれず。囲碁通にも苦。みやび買うと付録は烏鷺、古碁。無意識な美しい囲碁の高み。

回文 3

ハンデ聞き、多めに置かす囲碁。間(ま)あり。空き隅を見ず寄せん。螺鈿(らでん)の碁。石、気配なく、よい形勢。勘冴えず模様の碁、如何にか。囲碁脳、世も末。三回整形よくない。激しい碁、飲んで乱世。四隅を見、隙あり。アマ恋す顔に。眼多き、貴殿は。

回文 2

将棋の子、角銀出し、金合い、桂香歩玉。飛、引くよ。棋風よき。異形、暗記したん? 聞くか、この教師。

回文 1

玉飛角金銀桂香歩、舞い、成り、高し棋理。棋士語りな、今ふう良き意見。禁忌、苦か。引くよ気。(きよくひかくきんきんけいきようふまいなりたかしき・り・きしかたりないまふうよきいけんきんきくかひくよき)
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